製品面での取り組み
食料品の流通に必要不可欠な
包装材料のプラスチック使用量の比較

当社が主力として作っている包装用フィルム(左側)は、他の包装容器(右側)に比べプラスチックの使用量が少なくてすむという大きなメリットがあります。そのため食品流通には欠かせない包装資材の中では比較的環境負荷が低い材料と言うことができます。
ただ、プラスチックの使用量が少ないとはいえ環境負荷がゼロではないため、当社では未来に向けた更なる環境負荷低減製品への取り組みを行っています。この環境負荷低減という課題は皆さんが将来にわたって関係する社会問題でもあります。ぜひ私たちと一緒に課題解決に向けたモノづくりをしましょう。
我々を取り巻く社会課題
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海洋ゴミ問題マイクロプラスチック
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気候変動問題地球温暖化
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食料問題フードロス
- リデュース・リユース・リサイクル
- 鮮度保持技術
(製品からのアプローチ)
- 生分解素材の検討
- バイオマス材の検討
- 最適なフィルム開発
まず皆さんも体感されていることと思いますが、我々がいる社会には優先的に解決しなくてはいけない大きな課題が3つ存在しています。それは①海洋ゴミ問題(マイクロプラスチック)②気候変動問題(地球温暖化)③食料問題(フードロス)になります。
現在のところそれぞれの課題に対し有効な解決手段が、リデュース・リユース・リサイクル、そして鮮度保持技術と言われています。そこで当社は具体的な取り組み内容として、 ①に対しては生分解素材を検討し、②に対してはバイオマス素材を検討、③に対しては最適な鮮度保持フィルムの開発を行っています。

生分解素材の開発に
力を入れています




(生ごみと一緒に分解処理ができます。)


(海洋中でも分解します。)
生分解素材の開発例としては、セルロースの製品群があります。このセルロースは木材など植物の主成分からできていますので、生分解性への期待とともに現在持続可能性(サスティナブル)のある素材として注目されています。
セルロースから透明フィルムを作るとセロハン、繊維を作ると不織布となり、それぞれ従来品より進化させた新素材を新ブランド化して新しい展開をおこなっています。
例えばネイチャーフレックスという新素材はコンポストでの生分解性認証を取得、更に新しい製法で作られたネイチャーレースという新素材に関しては海洋生分解性の認証を取得できるほどの性能があります。

バイオマスプラスチックを
使ったフィルムを
積極的に
開発しています

搾りカスからできる
ポリエチレンを
使ったフィルム

ポリプロピレンを
使ったフィルム


次にバイオマス素材の開発例として、サトウキビの搾りカスからできるポリエチレン、廃食用油からできるポリプロピレンをそれぞれ使ったプラスチックフィルムの開発をおこなっています。
バイオマス成分を配合しているのに性能は従来の石油系プラスチックフィルムと同じように使いやすくしているため、大手のコンビニや様々な食品メーカーに採用され続けています。この傾向はカーボンニュートラルという観点からこれからも続くと思われますので、更なる開発を目指しているところです。

食品を更に長く保たせる
フィルムを
開発しています

最後に食品ロスに対するフィルムの開発例として、当社は二つのアプローチをおこなっています。もともとは食品をプラスチックフィルムで包装するということ自体、食品ロスを減らすことに貢献していると言えるのですが、それを更に高レベルにしたフィルムを考案し市場に投入することに成功しています。
具体的には野菜などの生鮮食品に対しては通気性を付与したフィルム製品、お菓子などの加工食品に対しては空気との遮断性を向上させたフィルム製品をそれぞれ開発しています。
製造面での取り組み
SDGsへの取り組みについて
SDGsは、グローバルな社会問題、環境課題を解決することで持続可能な社会を実現し、
人々のQUALITY OF LIFEの向上を目指すものであり、
17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
フタムラ化学の事業や取り組みには、SDGsへの多くの貢献実績があります。
各事業や、企業全体で取り組んでいるSDGsへのアクションは、
合計「235項目」あり、SDGsの全17の目標のうち、12の目標に貢献しています。



SDGsの取り組み実績

- ・再生可能資源を利用した製品
- ・石油由来原料の使用量削減

- ・天然素材を利用した製品
- ・堆肥化が可能

- ・食品、医薬品、化学工業製品の製造に利用
- ・浄水器、クリーンルーム用フィルター等に利用
- ・排水、排ガスの浄化に利用
策定し活動しています。
事業活動における環境負荷低減を通じて、
フタムラ化学の成長と社会課題解決の
両立を目指します。
環境課題に対する中長期目標と評価




省エネ機器の導入や廃熱有効利用、生産集約による合理化を図ることで、操業に必要なエネルギーに起因する二酸化炭素排出量を削減しています。カーボンニュートラルに向けて多方面から取り組みを継続していきます。
- 省エネルギーモーター設置
- 焼成炉廃熱利用
- 再生燃料使用
- 復水発電機運転
- 省エネルギーボイラー設置
- 高効率冷凍機設置
- 燃料転換
- 照明LED化
- 省エネルギーポンプ設置
- その他省エネルギー機器導入
- 廃熱ボイラー運転
- 太陽光発電
- グリーン電力購入
- 定期メンテナンス
- ペーパーレス会議実施
- 緑地化
- モーダルシフトの活用
- ハイブリッド車導入
- TV会議実施






化学物質を適切に管理しながら、製品の製造工程から排出されたガスから化学物質を分離回収、分解除去して排出量の削減に努めています。イオン液体を用いた世界初の量産技術として独自開発した大垣法は、有害物質を排出せずに不織布を量産することができ、更なる環境負荷の軽減が期待されます。
- 排ガス処理設備運転
- 溶剤触媒燃焼処理装置運転
- 薬品回収・再利用
- 燃焼式脱臭炉運転
- 排ガス洗浄装置運転
- 燃料転換
- 作業環境測定
- 原料調達基準運用
- 防湿加工工程廃止




製造工程内のロス削減や再利用をする取り組み、再資源可能な物を分別処理することで廃棄物発生量の低減に努めています。大垣工場のボイラーでは、石炭から天然ガスへの燃料転換を進めており、これにより石炭灰7 千t/年の削減ができ、令和4 年度の廃棄物総量に対して約20%の削減効果となります。今後も更なる廃棄物の削減に向けて取り組んでいき ます。
- 活性炭の再生
- 工程内ロスの再利用
- RPFの製造・販売
- バイプロからの活性炭製造
- 工程内ロスの転用
- 汚泥焼却熱回収
- プラスチック当て板回収・再利用
- 梱包材再利用
- サーマルリサイクルセンター運転
- 資源化ゴミ分別処理


環境汚染防止への取り組み
法律等で定められた規制はもちろんのこと、規制基準を超える自主基準に基づいて管理することにより、
感染汚染の防止に努めております。
- 排ガス処理設備運転
- 溶剤触媒燃焼処理装置運転
- 排水自動閉門式水門設置
- 排水処理施設運転
- 排水監視・警報装置設置
- 燃焼式脱臭炉運転
- 燃料転換
- 公害防止管理者養成
- 危険物取扱者養成
- 安全環境報告会開催
- ISO14001監査員養成







イニシアチブへの参画と外部評価
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プラスチックと賢く付き合いながら、未来へ向けた様々な活動を推進する、環境省が実施する取り組みです。フタムラグループは、プラスチック材料の循環利用、再利用などに取り組んでおります。
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各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み作りに参加する自発的な取り組みです。フタムラグループは、持続可能な消費と生産のパターンを確保するための活動などに取り組んでおります。
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プラスチック製品の使用がより持続可能となる3Rの新たな取り組みや、代替素材の開発・導入を推進し、官民連携でイノベーションを加速化するため設立された組織です。フタムラグループは、持続可能な3Rの構築と、セルロース素材の開発・利用を行っております。
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企業の環境経営度を評点化し、優れた企業を選定する「環境格付」の手法を用いた、世界で初めての融資メニューです。フタムラ化学では、DBJ環境格付を活用した融資を受けております。
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国際間の取り引きをスムーズにするために制定する、世界共通の基準です。フタムラグループは、品質9001・環境14001・食品安全22000に関する認証を取得しております。
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資源の持続可能性と追跡可能なサプライチェーンの実装を提供する、国際的な認証システムです。フタムラ化学では、ISCC PLUS の認証取得により、持続可能なバイオマス原料の調達に貢献します。
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多くのセルロース製品(NatureFlexTM、NatureLace®、セロハン、TCF)で一般社団法人日本有機資源協会のバイオマスマーク、欧州の認証機関であるTÜV AUSTRIAの各種生分解性認証を取得しております。
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サプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築します。